ちば環境情報センター ニュースレター第114号

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2007.1.10 発行    代表:小西 由希子

目 次

  1. 気づいたら10年・・・
  2. 環境ボランティア活動に参加して
  3. 冬の谷津田にて
  4. 不法投棄に思うこと
  5. 環境保全活動家たちが地球のみどりを破壊している
  6. ちば環境情報センター設立当時の活動

気づいたら10年・・・

NPO法人ちば環境情報センター 代表 小西 由希子 

 京成みどり台駅(千葉市稲毛区緑町)のそばにあった事務所の一角に、長机一つとチラシを掲示する板が一枚、家賃月1000円で始まったちば環境情報センター。あれからもう10年が経ちました。新しい仲間も増え活動も年々活発になり、おかげさまで内容も充実してきました。ふだんの活動には出られなくても当会の必要性を意識し、会員継続して会を支えてくださっている方々もあります。ここまでやってこられたのは、こうした多くの皆様のおかげと心から感謝しています。

 環境学習を地域で実践していきたいと望む仲間との出会いと、情報があふれる中で必要な人に必要な情報を伝えることの必要性や、人と人がつながることの大切さを感じて、何かに背中を押されるように環境情報センターの構想がふくらみました。同時に、行政に要求するだけでなく、自らできることは自分たちでおこなっていく市民の自立も大切だと感じ、1996年12月、わき出す思いが形になりました。
会設立当時、環境問題に関心を持ち、行動したいと望む市民は着実に少しずつ増えていました。しかし、的確な情報がなく「自分に何ができるか、何をしたらよいかわからない」という状況でもありました。一方、地域でも小さな市民活動が動き出しており、参加者集めに苦労している現状がありました。また、学校などで環境学習の必要性が叫ばれる中、指導者を紹介して欲しいとの声もありました。人と人、人と情報をつなぐことの必要性を強く感じ、それによって千葉県の環境保全活動がもっともっと元気で活発になるのではないかと考えたのです。そしてだれもが気楽に立ち寄れ、おしゃべりするなかで新しい出会いや有意義な情報交換ができる、そんなサロンのような場が欲しいと強く感じました。どうしても事務所を持ちたかった理由はここにあります。
もう一つが環境学習です。自治体では環境学習指導者養成講座が行われてきました。しかし、講座を受講してもすぐに指導者になったり地域で実践していくことができるわけではありません。卒業後、経験を積んで力をつけたり仲間とつながる機会がもてるようフォローアップする機関が必要で、それは私たち市民の役目だと思いました。こうして、ローカルな環境活動情報の発信と、市民主体の環境学習を柱にして私たちの活動が始まりました。
主婦が気軽に出せる金額でと1500円という年会費にこだわってきたことや、話し合いですべてを決めるという私たちのやり方は、外から見ればたぶんじれったい歩みであったかと思います。2003年4月にはNPO法人格を取得し新たなスタートを切りましたが、この決断も丸2年の話し合いを重ねた結果の選択でした。
現在、会費をきちんと払ってくださる会員は250名,運営委員も17名と増え、活動もますます盛んになってきています。専従職員を置くことができたことも特筆すべき歩みの一つです。専従の福満美代子さんの存在が当会にとってどれほど大きいか、おそらく多くの方がうなずいてくださることでしょう。
吟味した方向性と一つ一つの丁寧な歩みが着実な展開を生むのだということを、私はこの10年で知ることができました。継続して高い質を保ってきたニュースレターやさまざまな活動の成果が、会存在の必要性と多くの期待を受け止め、その役割を果たしてきたことを証明しているのではと自負しています。そしてそれがすべて会員の自発的なボランティアで支えられていること、何よりそれを実現できる人のつながりや信頼関係があることが何物にも代え難い会の財産であると思うのです。
「情報センターは,市民・行政・企業という異なった社会セクターをつなぐ,あるいは,NPOとNPOをつなぐ,中間的なNPOです。この中間的なNPOであるということの自覚が大切だと思います。・・・今必要なことは,市民社会による行政・企業の制御なのです。そのためには,それだけの情報と視野と力が必要になってきていて,それを準備していくのが情報センターの役割なのです。」これは、ニュースレター創刊にあたりエココミュニケーションセンターの森良さんからいただいたお言葉です。
そこを目指してこれまで活動してきましたがまだまだ不十分です。市民にできることは責任を持って実践し、だれもが関われる風通しのよさを確保しつつ、市民の立場からの政策提案がおこなえるよう常にアンテナを高くしていきたいと思っています。これからも皆さんのお力で育てていっていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

環境ボランティア活動に参加して

千葉大学法経学部経済学科1年 藤村 佳宏 

 私はボランティアをしてみたくてこの「ボランティア実習」という授業を受けたのですが、正直「人に尽すだけで何も学ぶことはない」と思っていました。しかし環境のことに限らず色々なことを学び、知らないうちに「ボランティアをしている」という意識がなくなっていました。

 私は田んぼの観察、稲の脱穀など色々なことをしたのですが、これらのことは都会生まれの私にとって初めての経験でした。なので初めは田んぼを歩くこともろくにできず、多大な迷惑をかけていました。その上私は虫があまり好きではなかったので、初めて田んぼに行った時は、「虫はたくさんいるし、泥で洋服は汚れるからもう来たくない」と思っていました。しかし田んぼに何度も行くうちに徐々に慣れていき、「空気がおいしい」と感じたり、「どんな植物、生物がいるのだろう」とよく観察するようになりました。今では下大和田の自然が壊されてないか心配するぐらいに、自然に親しみを持つようになりました。
私がこの団体の活動を通して学んだことの中でも最も印象に残ったことは、「ボランティアは人と助け合いながらすること」だということです。この団体に参加している人達はもちろん普段は仕事をしていて、ボランティアに来られる日は限られています。しかしそれでも互いに役割や来られる日などを決めて活動に真剣に取り組んでいました。その証拠にさぼったり活動を嫌がってする人を一度も見たことがなく、「本来のボランティアはこういうことなのだ」と深く感心しました。
私はこの授業をとり、この団体に参加出来たことを本当に嬉しく思います。私は将来公務員になりたいので、この経験は私にとって非常に大切な経験であると思っています。最後になりましたが、お世話してくださった、ちば環境情報センターの会員のみなさま、本当にありがとうございました。

冬の谷津田にて

千葉市立大椎小学校4年 木山 慧 

 クリスマスも近い12月3日、ぼくは下大和田に行った(下大和田に来るのはこれで6回目)。集合場所に行ってまずは少し一休み。その間ぼくは、スタッフの人に、「カブトムシどこかにいませんか?」と聞くと、「そっちに多くいるよ。」と教えてくれた。すぐに軍手をはめ、落ち葉の山をパワーショベルのようないきおいでほりはじめた。すると、あーら不思議。まるで魔法のようにカブトムシの幼虫がどさどさ見つかるのだ。数を数えていくと、全部で13匹いた(!!…)。土と落ち葉をかぶせていく途中、スタッフの一人が、「この土は、去年落ちた落ち葉がくさってできたんだよ。」と教えてくれた。去年落ちた落ち葉が黒土の上にかぶさり、くさって土になるのだ(いわゆる腐葉土)。たしかに、ここにたまごを産めば、栄養分がとても豊富で健康なカブトムシが育つだろう。

 そしてこんどはゴミ拾い。そのころぼくは、(ゴミがあっても、空きかんぐらいだろうな。)と思っていた。しかし、じっさいに調べてみると、空きかんにペットボトル、タイル、スプレー、ドラムかん、空気入れもあった。集合場所に帰り、と中から入って来た人たちといっしょにお弁当を食べた。それから、谷津田にもどってきたとき、カマキリのたまごや、ミノムシを見つけた。お弁当を食べた後、もう一人の子といっしょに、そりに落ち葉をつんで、カブトムシの幼虫のいたところにかけてあげた(これからもっと寒くなるからね。)。そして最後に、クヌギのブランコをやって帰った。
今日、ぼくは初めて冬の谷津田に来た。その風景はとてもきれいで、今度来る時が楽しみだ。

不法投棄に思うこと

千葉市稲毛区 深山 貴道 

 不法投棄が起きる原因やその問題については様々な人がその著作の中で述べていますので僕ごときに言うべきことは無いような気もするのですが、ここはあえて言いたいことを言わせていただこうと思い投稿する次第です。
 下大和田で起きた不法投棄は不幸な出来事でした。メールで送られてきた写真や皆さんのコメントを読んでいて、犯人に強い憤りを感じるとともに非常に恥ずかしい想いをしました。
 僕は若干畑違いではありますがリサイクル関連の仕事をしています。業者の中には産廃や一廃など許可を持つ業者が多数います。毎年、摘発によって許可を取り消される業者が存在する現実がある中で、業界の信用をどうすれば勝ち取れるのかを常々考えています。犯人が誰か?ということはもちろん、業界から悪いイメージが払拭されないのではないか?という気持ちが強く残っています。ごみの排出や処理は適正に行われなくてはなりません。これを不法投棄と呼ぶかどうかわかりませんが、僕が日々直面している問題を紹介したいと思います。
 今、千葉市では古紙布類のリサイクルを推進すべく、月2回の行政回収を始めています。地域の集団回収も含めればごみの減量にきっと効果がでるでしょう。しかしです、布類を入れた袋の中に「生ごみ」,雑紙と一緒に入っている「ビニールやプラスチック」どういう常識で考えればいいのか目を疑うようなものが排出されてきます。しかも巧妙に隠されていることが一番の問題点なのです。
 リサイクルを前提にしている以上、業者はごみを運ぶことは出来ません。従って収集する際には「これはリサイクル出来るのか?」という検品をする必要があるわけです。ルールに従って排出されていれば不要な作業なのですが。
 「誰も見てなければ」「皆もやっている」「ちょっとくらい」「金を払いたくない」「面倒くさい」不法投棄もごみの間違った排出も、結局自分達に災いとして降りかかってくるのに何故気付かないのでしょう?余計な税金がかかり、自然が破壊される。自分が生きているこの世代ですら危うい状況だというのに次世代への責任は考えないのか?
 考えないのでしょうね。権利ばかりが発達した悪しき個人主義の弊害だと僕は思うのですが皆さんはどう思われますか?

環境保全活動家たちが地球のみどりを破壊している

千葉市稲毛区 平田 和博 

 近頃気になることがある。新聞の1,2面を使った大きな広告を頻繁に見るようになった。化粧品や高級バッグの広告だけでなく、自動車会社の「エコ・プロダクト受賞記念」や住宅建設会社と電力会社の「オール電化の家が家族と環境にやさしい」など環境保全に貢献していると訴えているものもあるから驚く。大きな広告を出すことで、企業は自社イメージや商品のPR効果を期待しているのだろう。また読者もきれいに印刷された広告を見て、良い気分にさせられているようだ。紙の原料を海外に依存している日本では、このような紙の無駄遣いといえる行為は自粛すべきである。地球環境も考慮して、より小さな紙面で効果あるPR技術を向上させてもらいたいものである。
このような紙の無駄遣いは企業や新聞社ばかりでなく、環境保全活動団体にもいえる。昨年度、当CIEC事務所の紙資源用ゴミ箱に環境活動行事の案内やチラシが2000枚ほど捨てられてあった。これらは人の目に触れずゴミ箱入りしたもので、一件50枚以上あったものを集計してみた。そのなかで200枚以上あった行事のものは、05年9月(拾いあげた月)エコメッセちば「めざせ資源循環型社会」、10月京都議定書の内容と意味「地球温暖化問題とは」、06年2月ちば・谷津田フォーラムシンボジウムであった。ちなみに、片面印刷のものはコピー用にまた折り目のついたものはメモ用に使っている。
コピー用紙の原料はインドネシアの熱帯雨林を伐採して造られている。環境活動に参加している人はそのことを知っているのだろうか、このような紙の無駄遣いをあまり気にしていないようだ。500枚印刷するのも1000枚印刷するのも金額が変わらないと言われると、多く刷って得した気分になってしまう。多量消費の習慣が身に染みついてしまったこともあるが、環境活動をしているから多少の無駄は許せるという甘えた考えもあるのかもしれない。森林を破壊させられたインドネシアでは、森林火災の多発や象などの野生動物の減少が発生している。
遊び半分やお祭り気分で活動しているわけではないだろうが、このような紙の無駄遣いを続けていれば、結果的に地球の緑を破壊することになる。環境保全活動の初心に返り「もったいない」精神を念頭に置いて、資源を大切にしてもらいたいものである。あなたの無駄遣いが野生動物を死に追いやっている。

ちば環境情報センター設立当時の活動

発送お手伝いのお願い

ニュースレター2月号(第115号)の発送を2月7日(水)10時から事務所にておこないます。発送のお手伝いをしてくださる方を募集しています。よろしくお願い致します。


編集後記:あけましておめでとうございます。暖かすぎる元旦で、温暖化が現実味を増した年明けでした。1996年12月に女性3人によって設立されたちば環境情報センターも、10年を迎えることができました。これもひとえに会員皆様の応援のたまものと感謝しております。次の10年もよろしくお願いいたします。 mud-skipper