ちば環境情報センター
2004.3.8 発行    ニュースレター第80号
代表:小西由希子

目次
  1. 地球温暖化って何、温暖化すると地球はどうなるの 私たちに出来る事は!
  2. 楽しい自転車エコライフ
  3. 「子どもたちの森」を知っていますか?
  4. 谷津田存続のために

地球温暖化って何、温暖化すると地球はどうなるの 
私たちに出来る事は!

ストップ地球温暖化千葉推進会議 千葉市若葉区 内野 英哲

地球の年間平均気温は15℃といわれ色々な生物が生きやすい状態に保たれています。
これは二酸化炭素やメタン、一酸化ニ窒素、フロン類などの温室効果ガスが地球を取り囲む大気の中で温室のような役割を果たしてくれていたからです。
このように地球の生態系は適度な温室効果ガスによって長い間まもられてきたのです。
ところが近年世界の人口増加と先進国の経済発展で豊な生活を維持する大量生産、大量消費、大量廃棄物型社会経済システムは温室効果ガスを大量に発生させ地球環境に大きな負担をかけ自然環境のバランスを崩しはじめています。
このままの状態で進むと今世紀末には世界平均気温は約1.4℃〜5.8℃上昇し、更に海面上昇も約9cm〜88cm上昇すると予測されています。
そのために世界各地で干ばつ、洪水などの異常気象、水資源の変化、農業への影響による食糧不足、マラリヤなどの感染症広がり、自然生態系への影響など数々心配されます。

地球温暖化対策の取り組み
国際的には1992年にブラジルで開催された地球サミットで「地球変動枠組条約」が締結され1997年京都で開かれた国際会議で各国ごとの温室効果ガス排出量の数値目標が定められました。我が国としては1990年レベルから6%の削減目標が定められ、それにより千葉県でも1998年12月に「千葉県地球温暖化防止計画」を策定し県全体の温室効果ガスの削減に向けた対策を進め、市民レベルでも温暖化防止活動推進員を261名県から委嘱を任命され活動を進めております。
こうした対策にも関わらず我が国の温室効果ガスの排出量は2001年では1990年に比較して5%増加し、特にオフィスなどの業務その他部門で30.9%、運輸部門で22.8%、家庭部門で18.4%増えています。
この問題解決には市民・事業者・行政・主体において生活様式や事業活動を見直し、これまでの大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会経済から省資源、省エネルギーや再生可能エネルギーを導入した持続可能な社会経済システムに転換する事が不可欠となります。

私たち市民に出来る取り組みとは
温暖化の原因は私たちの人間にあることを再認識し、防止する方法も私たちの生活の中から考えられます。
日常生活に様々な活動が関わる事から特に温室効果ガス排出抑制には、電気・自動車・給湯器・冷暖房機器の使用が大きく関係します。この削減対策には節電対策や、自動車の使用自粛などの省エネルギー行動に努めるほか、良好な資源循環と環境にやさしい社会への誘導が期待されるグリーン購入や廃棄物の分別再利用、二酸化炭素の吸収効果のある植林、緑化の推進など期待されます。又最近の技術革新により省エネルギー型家電製品、自動車も開発されており、身近で数々の対策が考えられます。もう一度自分のライフスタイルを見直し出来ることから実行してみてはいかがでしょうか。


楽しい自転車エコライフ

東京都江東区 中瀬 勝義 

若い女性から「この自転車がお勧めですよ!」との言葉から私の楽しい自転車エコライフが始まった。「東京を自転車で走る会」に参加し、この女性に出会わなければ今の自転車エコライフはなかった。その意味でこの女性が自転車エコライフの母である。
1.今までの自転車利用
 私の自転車ライフはかなり長い。姉の息子の軽快自転車を40歳頃譲られて、20年にもなる。その間 我が家から市谷の法政大学や四谷の上智大学に、良く通っていた。法政平和大学、神父様が主催する座禅会などに参加するためである。また、その経路にある裁判所などで傍聴したり、公園にて遊んだり、歌舞伎観劇を行ったりと多かった。
 しかし、自転車の速度は時速10q前後で、1時間位までが疲れない限度と考えていた。
2.ジャンプ
 それが、若い女性の一声で一変した。たまたま母の介護のために、早期退職したことから自由の身になり、時間が問題ではなくなったことと、思いかけず「厚生年金基金『第1種退職年金』の加算年金の一時金支給を選択したことから、予定外の収入があったこともその要因である。今までの考え方からは、ちょっと高いが10万円のおすすめ携帯自転車を買うことになった。
 はじめは若者向きに感じ、照れくさいことと、何とも乗りにくそうな気がしたが、長く乗っているとその効果は抜群で、ちっとも疲れないのだ! 自転車が10sと軽く、ゼロメートル地帯で橋が一番高くなっている江東区の橋付近の坂道でも、平気で楽々登っていける! 通常のママチャリ等は重量が20s位あり、先道を登るのはかなりきついことがあり、まして長距離を走るとかなり辛い。この自転車は8段切り替えでもあり、都内の坂ならば先ず問題はなく、登ることが出来る。また、軽いので スピードも50%アップとなった。
3.経済性
 お蔭で今までの行動半径が1時間・10qから2時間・30qまでに延びることになった。現在、自動車は200〜300万円でも不思議ではない経済感覚になっているかと思う。多くの方々はローンで購入し、更に税金・保険・燃料費と年間に多額の費用を掛けている。私はバブル時に駐車場費が年間24万円から60万円に変換するのを機にマイカーは止めてしまった。その費用でレンタカーとタクシーに使い、残った分だけ皆で飲んでしまおうと考えた。
 多くの方々も自動車に要する費用は年間100万円位にはなるものと思う。自転車ライフに変えれば、その費用が削減できることになる。
4.健康と利便性
 自転車ツーキニストのベテラン疋田智氏によると、自転車通勤に変えたら体重が15s減量したという。さらに、高血圧・糖尿病・腎臓病などに大変効果的と聞く。足腰が丈夫になると、腰痛などが軽減される。歩けない方でも座っていられる自転車は乗れるという。携帯自転車は折りたたみでもあるので、タイヤが小さく、足が短くとも簡単に乗れる。また、バスや電車にもカバーを掛けて、またはそのままで乗せることが出来る。先日は六本木でパンクし、地下鉄で帰ることができた。往きは自転車で、飲んでしまったら 帰りは鉄道かバスで帰ることが出来るありがたいものである。
5.環境に優しく・持続可能な社会に適合
 自転車の最大の利点は、環境に優しいことであり、持続可能な社会に最も適していることである。ガソリンや軽油を使う自動車は便利ではあるが、大気汚染の落第生である。また、石油資源の微小な日本には不向きなものではあるが、戦後の高度成長、大量生産・大量消費・大量廃棄社会の中で、価値の高いものとされてきた。隣りの人よりも良い車に乗りたいという考えが支配的かと思う。その考え方は、アジアではどこの国も同様である。しかし、公害に悩んだ先進国のヨーロッパは、根本的な見直しを行い、自動車の利便性よりも、自転車の環境への優しさ・持続可能性に関心が高まり、大きな変化が生まれている。
 疋田氏によると、オランダやドイツのいくつかの都市では、中心部5q範囲は自動車が入れなくなっているとのこと。人と自転車だけが中に入れ、周辺には駐輪の場が沢山あるとのこと。また、中心500メートル内は自転車もダメで、人が歩くだけになっているとのこと。そこには路面電車が走っているので、歩行者にも問題はないとのことである。全体に 自転車専用の自転車専用道路が造られており、自転車と人が上手く共存しているとのことである。
 ガソリンや軽油の消費が削減できれば、昔の太平洋戦争や昨今の中東戦争は必要なくなるかもしれない。これほど平和に貢献するものはないかもしれない。本当の意味の持続可能な社会と言えそうである。
6.日本の現状
 自転車問題の一番は放置自転車と言われている。また、ヨーロッパは自転車専用道路や駐輪場などの基盤が出来ているが、日本ではとても今すぐには出来ないとの批判を言う人は多い。人口が桁違いに多い日本ではとても無理と言う方が多い。私もそう思っていた。
しかし、慶応大学や法政大学、都庁等への20q,30qの通学・通勤を毎日続けていると、都内の道路はなかなか立派なものが多く、広い歩道があり、人と自転車の区分がされているところはかなりあることが判ってきた。区分がなくとも、最近の埋立地や開発地域などでは立派な自転車が通れる道がある。駐輪場もかなり出来てきた。埋立開発地域は本来工場街を想定し、立派な道路・歩道が造られているが、経済不況と生産基地がアジアに疎開する中で、人に優しい環境・優しい地域に変身しつつある。予想外のことが日本の各地で起こってしまっていると言うことである。各地の道路行政と建設会社が努力され、立派な道路が造られていると言うことかと思う。
そういう意味では、日本のハードのファンダメンタルは驚くほどしっかり出来ていると言える。自転車ライフを実施していない人が自動車優先社会に埋没し、知らないだけである。また、歩道を歩く人と自転車で往く人の棲み分けが出来ていないことがポイントである。さらに、車道の路肩への駐車・停車が問題である。
7.これから
これらは、ひとりひとりの自動車マナー,自転車マナー,歩くマナーを改善すればほとんど解決することである。法律を新しく作るほどのこともない。自転車専用道路も新しく作るほどのこともない。一人一人の都民が自動車優先社会からの脱却と、人に優しいライフスタイルに変わろうとすることだけで十分かと思う。
ママチャリの方は5q圏内の利用、軽快自転車は10qくらいまで、携帯自転車は長距離利用の方と、自転車もそれぞれ上手く使いこなすことかと思う。なんでもないことが今まで判らなかったものと思う。とに角自転車を愛することから全てが始まる。その考えが殆どの放置自転車をなくすことに繋がるものと推察される。
人口爆発が叫ばれる昨今、持続可能なライフスタイルにしようではありませんか。


「子どもたちの森」を知っていますか?

千葉市稲毛区 茂木 俊輔

千葉市でいま計画を進めている「子どもたちの森」に足を運んでみました。動物公園の脇に広がる「保存樹林」の一帯を、いわゆるプレーパークとして整備していこうとする計画です。地元の小学生に声をかけて、もう何度か現地でワークショップを開いていました。我が家はちょっと離れていて、自転車で10分くらい。たまたま古くからの友人がワークショップを運営する立場にあったりもしたので、どんなものか、と。
その日は午前中、火を起こしたり笛を作ったり、と森でのいろんな遊びをあちこちで同時に繰り広げ、昼には起こした火で炊いたおかゆをふるまい、プログラムを終える14時半ごろまでは、それまで描いてきた計画に沿って施設の配置を現地でイメージするワークショップを開きました。
森づくりに参加している子どものなかには、「中学になったらもう来れないのかなあ」となにやら勘違いしている男の子や、「学校に行く前に遊びに来よっ!」と近所なのを誇らしげに話す女の子がいました。身近に感じているんですね。こうやって計画の段階から多くの市民がかかわって、結果として「自分たちのもの」と感じるようになって、そうして人の手が入らなくてちょっと荒れ気味の近所の環境が整えられていくのはいいなあ、と痛感した次第です。


谷津田存続のために

千葉市緑区下大和田の谷津田で米づくりをしている反田孝之さんから、ちば・谷津田フォーラムホームページの談話室に次のような書き込み(2003年11月18日付)をいただきました。
反田さんは直まきやシロツメクサを植栽したり、いろいろな有機農法による米づくりを試みていましたが、残念ながら今春、田んぼを大学の後輩に託して、ふるさとの島根県に帰ることになりました。CEICの米づくりにも協力してくださった反田さんのメッセージを通して、谷津田での米づくりを考えたく、ここに掲載します。


八街市 反田 孝之

こんにちは。久しぶりにのぞきました。私は下大和田での稲作を終え、来年より島根へ帰ります。晩秋の谷津田はなんとも寂しいですね。5年間耕作してきた田圃に用もなく出向き、枯れた夏草などをただただ眺めていると、そこで学びながら行き過ぎた日々が様々に思い出されます。
ふとあの筋に放棄地が多いことをあらためて思いました。私も今年は借りた1反8畝のうちの半分しか作付けせずに草を生やしてしまいました。機械がなく大変で、その割に儲からないことが最大の理由です。来年から後輩の網代が引き継ぎます。しかし専業の彼が儲からない田圃にどこまで「せい」が出せるかはわかりません。
ここであの田圃の収支を計算してみます。私の場合で、種,肥料,資材,収穫,乾燥,調整,販売雑費で8万円。労務がおよそ30人役(あまり機械化してないためです。おおざっぱですが)。反当8俵として計14俵。1俵いくらで売ればいいかがわかると思います。もちろん専業でやってたら雇われアルバイトで1人役の8千円なんて訳にいきませんので、軽トラをはじめとする機械の償却費や損料をも考えたら、1俵3万円でも合わないのです。
どうか皆さん、来年のお米を高い値で買ってやって下さい。後輩を慮るだけでなく、私の人生の再スタートの第一歩となったあの田圃を守りたいのです。お米が高く売れなければ、近いうちに確実に手放すことになるでしょう。また素人の労力提供による協力は、協力した側が思うほどに実は全く助かりません。お米を高く買っていただくのが最大の協力です。それ以外に方法はありません。高く買ってもらえさえすればあの田は後輩が守るでしょう。
10年後、20年後に、あの筋の田圃が1枚でも多く残っていることを願って止みません。

不耕起栽培のおコメを購入して下さい!
                     市川市 岩丸 利恵

田んぼを耕さず、固い土に根を張らせることで強い稲に育てるという農法、「不耕起栽培」をご存じでしょうか?
この、生きものにも、自然環境にも良い農法を20年近く続けていらっしゃる農家、藤崎芳秀さんのお米が、今年、諸事情により大量に余ってしまいました。支援者の協力により、幸いにも大口のお客様が見つかりましたが、今後永くお付き合いして下さる個人のお客様も大切にしたいとの意向から、あえて半量を在庫として確保されるそうです。
不耕起栽培は、田んぼの中の生態系を自然に戻す、水を浄化する、メタンガスの発生を抑えてオゾン層破壊を抑制する...など、様々な利点から注目されていますが、何より美味しいお米なんです!
是非、この機会に藤崎さんのおコメをご賞味下さい!
1袋(4kg):2,900円(税込)+送料(700円程度)。白米か玄米かをお選び下さい。ご注文はFAXにてお願いします。
注文先:〒287-0066 千葉県佐原市堀之内3209 TEL&FAX:0478-54-5814  藤崎 芳秀
続・古着物語
     八日市場市 萩原 真紀
作年の12月26日に発送したインドネシア行きの古着がやっと届いたと友人から連絡が入りました。2ヶ月を過ぎた時点でもしかして途中でくたばってしまったかと思い(けっこうパンパンだったので)、その場合は皆さんに正直に話すかどうか考えていましたが無事に着いてくれて本当に良かったです。
現地の喜びの声や活動内容はいずれまたニュースレターで流させてもらいたいと思います。しばらく様子を見て、萩原家で出番を待っている第2段を出発させたいと思います。ご協力、本当にありがとうございました。

編集後記:千葉県生物学会,里山勉強会,朱鷺のシンポジウムと、2月はたて続けに大きなイベントにかかわり、いつにもまして多忙な月でした。それでも何とかニュースレター80号を発行することができたのも、原稿をお寄せくださった方々のおかげと感謝しております。今後ともご協力のほどよろしく願いいたします。mud-skipper