ちば環境情報センター
2003.11.7 発行    ニュースレター第76号
代表:小西由希子

目次
  1. 太陽光発電を導入して 
  2. 谷津田プレーランドプロジェクトに参加して
  3. ひとちぼっちの谷津田
  4. 割り箸細工の芸術家にお会いしました!
  5. クリーンアップキャンペーンinちば
  6. 古着を提供してください
  7. CEIC運営委員から10:ちば環境情報センター、来月でまる7年です!

太陽光発電を導入して 

山梨県東八代郡 松下 優子 


谷津田プレーランドプロジェクトに参加して

千葉市花見川区 宇井 哲 

5月の田植えに参加してから、草刈り・かかしつくり,稲刈り,脱穀と田んぼの一年を体験させてもらいました。
最初は、「2歳の子どもに楽しい体験をさせてあげたい」との思いから、つまり一回限りの遊びのつもりで田植えに参加したのですが、知らないうちに、半年間谷津田に通いつづけてしまいました。
何故こうなったのか?を考えてみると、息子がとてもリラックスして遊んでいる様子だったこと、いいえ何より自分が日常を忘れ休日を満喫できたからだったと思います。
この田んぼの魅力は、きれいな小川と豊富な生き物たちの他に、いつでも自由に遊びに来て良いということがあると思います。私たち家族はイベント以外にも良く田んぼに遊びに来させてもらっています。ザリガニ釣りやメダカやカブトムシ観察を楽しみ、小川で手足を洗い、そよ風の吹く中で雲を見ながらお弁当を食べるのがとても気持ち良いのです。誰もいないなぁと思っていると、そのうちに田んぼに誰かが来て、生き物や植物のいろいろなことを教えてくれます。今の社会が失いかけている、年代を超えたお付き合いというのも魅力のひとつだと思っています。
この一年を通して、下大和田の田んぼは私たち家族のかけがえの無い庭になりつつあります。通いつづけること(通いつづけさせるこの田んぼの魅力は素晴らしいです)による愛着と安心感がそう思わせているように感じます。
栗拾いやお風呂用に菖蒲を分けてもらうことからも自然からの贈り物を堪能し、自然への感謝の気持ちが、自分の中にごく当たり前に育ってくることを感じます。息子の様子を見ていると、田んぼなど自然にたくさん触れた後には、心がおおらかにゆったりと、大きく豊かになっている様子が見られます。子供たちには、小学生くらいまでは、色々気づかせてくれる大人と一緒に継続的に自然に触れさせてあげる方が良いように思えます。

脱穀 今年の収穫はコシヒカリ83.5kg(2003年9月28日)

色々なことを体験、そして考えさせてくれた一年であり、田んぼでした。いつでも来られる愛着の湧いた下大和田の田んぼの魅力に押されて、私もちば環境情報センターの会員になりました。ぜひ、皆さんも素晴らしい下大和田の田んぼを体験してみて下さい。
人と馴染みやすいこの環境は、自然のままでも人工的過ぎてもは手に入らないと思います。自然への敬意や気遣いのある、適度な人の手入れがあってこそだと思います。この微妙なバランスがいつまでも続きますように。また、このバランスが広がっていきますように。


ひとちぼっちの谷津田

        千葉市稲毛区 平田 和博 

しゃくとり虫が尻から糸を出してすーっと下りてきた。まるでロッククライマーが懸垂下降しているようだ。着地すると、急いで溝の方へ行った。時々立ち止まって方向を定め、進んで行く様子は道路の寸法を取っているみたいだ。口の中で「よいしょ、よいしょ」と応援していると、また一匹下りてきた。
7月19日の例会に参加できないので、12日草刈に出かけた。5分ほど草刈しては疲れたといって15分ほど木陰で休む。天気がよく、さわやかな風が時折吹き気持ちの良い日よりであった。遠くの田んぼの稲が風になびくと、続いて前の田んぼの稲がなびく。後ろの森の中でうぐいすが縄張りを主張しているのか、さえずっている。まだ若いのか、鳴き方が下手であった。
突然、子供の声がしたので振り返ると、宇井さん親子が来た。前月田植えに参加したとのこと。2歳のお子さんはお父さんにべったりくっついていたが、興味津々で取った小魚やザリガニと遊んでいた。木陰から遊んでいる親子の様子を見ていると、時々聞こえてくる子供の声が静かさを感じさせてくれる。
谷津田から鳥や虫たちの鳴き声だけでなく、風や水のささやきも聞こえてくるようだった。静かないっときをもらい、ひとりぼっちもいいものだと思った。


割り箸細工の芸術家にお会いしました!

市川市 岩丸 利恵 

9月23日、四街道市在住の割り箸細工の芸術家、小池正孝さんにお会いしてきました。
ちば環境情報センター6月の研修会で計画した、割り箸リサイクル活動の企画第2弾でしたが、私を含めスタッフ2名の他、お子さん二人の親子連れ1組と男性1名が参加して下さいました。
小池さんはもともと魚が大好きで、『魚に囲まれて暮らしたい!』という想いから、魚をモチーフにした作品制作を始められたとのこと。始められた当初は全くの素人で、特別彫刻の勉強をされた訳ではありませんでしたが、日々制作を続けてこられて13年。巨大タコから体長3センチ程の可愛らしいメダカまで、どの作品も割り箸で作られたものとは信じがたいくらいの精巧さで、参加者一同、驚きと興奮の連続でした。ひととおり作品を見せて頂いた後は、実際に割り箸細工を体験してきました。

小池さん宅前にて(後列向かって左が小池正孝さん)

割り箸細工は、木工用ボンドで割り箸を固めてある程度の大きさの木材にしたものを、小刀やヤスリを使って削り形にしていきます。今回、私達が挑戦してきたのは、ハマグリくらいの大きさの貝で、小池さんが下準備して下さった木材を削るところから始めました。小刀やカッターで割り箸を削る感触は、懐かしく心地よいものでした。環境問題などについて語り合いながら2時間、想像以上に難しく、完成できたのは参加者のお母さんとスタッフ1名だけでしたが、楽しく、実りあるひとときでした。
小池さんが素材に割り箸を使われるようになったのは、色々と試行錯誤された結果、木の質感が一番しっくりきたから、ということで、リサイクルが一番の目的という訳ではありませんでしたが、オガクズや削りカスまで大事に集めて作品にされたり、額までカマボコの板を使用したりと、そこここにモノを大事に想う気持ちが感じられました。このモノへの愛情が、まさにリサイクルの基本だと思います。ひとりでも多くの人がこの愛に気付き、環境問題に関心を持ってくれるよう、今後も割り箸リサイクル普及活動を続けていきたいです。


クリーンアップキャンペーンinちば

千葉市稲毛区 宮川 沙弥香(ちばのたね) 

10月19日、幕張の浜でちばのたね,ちば環境情報センター,みどりのネットワークちばの3団体共催でクリーンアップキャンペーンを行いました。当日は真っ青な空の秋晴れで、こどもから大人まで29人の方が参加してくれました。
簡単なあいさつと団体紹介のあと、ゲームをいくつかして心の緊張がほぐれたところで今日のメインのゴミ拾いと調査に突入です。このキャンペーンは毎年秋に世界中で行われている「国際海岸クリーンアップ(International Coastal Cleanup)」というもので、日本ではJEAN(Japan Environment Action Network)が事務局になっています。そのJEANから講師として来て頂いた大倉よし子さんにゴミの拾い方やデータカードの記入について説明してもらい,いざゴミ拾い!たったの20分の間にキレイに見えた砂浜からたくさんのゴミが集まりました。「20分?ずいぶん少ない時間だね」と思われるかもしれませんが、このキャンペーンはゴミを拾ってきれいにすることよりも、どういうゴミがどれだけあったかを調査して、今後の海洋ゴミの防止に役立てるものなのです。その調査がとても大変。小さな1センチに満たないようなものを100近くの項目に分けるのです。1時間近くかかって調査した結果、当日幕張の浜で一番多かったゴミはレジンペレット、数は1000を軽く越えました。たった20分の間に!レジンペレットというのはプラスチック製品をつくるための中間材料で,これを溶かして様々なプラスチック製品をつくっています。
みなさんも海に行ったらしゃがんでよーく見てみてください。昔はやった匂い玉のような直径5mmほどの楕円の球体がごろごろあるはずです。こういった調査によってタバコのフィルターに代表されるような、個人のマナーだけではなく、企業の責任も追及できるようになると思います。午後の部で一番こころに残ったのは、仲間のひとりが2050年からの手紙を読んでくれたことです。そこには手も入れられないほど汚染された海の風景が書かれていました。でも、彼が言いたかったことは「未来は自分たちの手で変えられる」ということだと思います。来年もまたキャンペーンを行います。こういったイベントがたくさんの場所で行われるといいな、と思います。身近な海でキャプテンになってみませんか?


古着を提供してください

インドネシア 三井 和美  

私たちはインドネシア、ジャカルタ近郊の町のデポックにあるストリートチルドレンのための家、ルマシンガ(Rumah Singgah)にて、活動を行っているグループです。主にインドネシア大学の学生、現地NGOで働く若者などが中心になって、毎週1回この家を訪れて、音楽(子供たちの多くはバスや電車、路上で音楽を演奏してお金を得ている),アート,英語,算数など、それぞれが興味のあることを学ぶ時間を提供しています。全てボランティアによるもので、それぞれかかる資金などは皆で出し合うか、寄付・寄贈を頼んでいます。
彼らの多くは家庭内の問題で家を飛び出し、路上でお金を稼ぎながら仲間同士で暮らしています。平均して4〜5年、最低でも2年は家に帰らない生活をしています。彼らは心のなかに色々な想いを抱えているはずですが、基本的にはとても素直で、優しく、仲間を思いやり、そして学ぶ事がすきな子供たちです。
今回古着をお願いしたいのは、彼らは皆、下着や服は今着ているものだけかもうひとつふたつ着替えを持っているだけで基本的にはずっと同じ物を着ているからです。もっと清潔な生活をできれば路上で仕事をする際も、嫌がられずにできるはずです(普通は汚いので、すぐに追いやられる)。
現地でも古着を集める努力をしていますが、こちらの経済事情もありなかなか日本のように簡単に古着を集めることはできません。もし、自宅の押入れに眠っているもう必要のない服が(*男の子用10〜20才)あればぜひ送っていただければ幸いです。


事務局より:古着は適量が集まり次第、ちば情報センターが責任を持って郵送します。提供して頂ける衣料品(下着や学校のジャージ類も大歓迎です)は現地に着くまで時間がかかるため、洗濯済みのものをお願いします。ちば環境情報センター事務所まで直接お持ちいただける方は平日の10時〜16時にお越しください。郵送を希望される方は送付先をご案内しますので、事務所まで一度お電話下さい。また、古着を送るのには送料もかかります。カンパしてくださる方がありましたら、こちらもよろしくお願い致します。皆さんのご協力、よろしくお願いします。


CEIC運営委員から10 : ちば環境情報センター、来月でまる7年です!

さいたま市 柳沼 薫 

現在はさいたま市に住んでいますが、発足当初からほそぼそと関わらせていただいています。CEICに集まる人々の魅力(個人的には+パソコンとインターネット)のおかげです。最初の頃、この活動に「ふ〜ん」と気のない返事をしていたT氏も、今やCEICの中心メンバー。はや7年が経とうとしています。活動を支えてくださっているみなさまに感謝!です。
最近ダイビングを楽しんでいます。よくよく考えると、この海もあの小川につながっているんですね。「昔は田んぼにもウナギがいた。ウナギのエサとなる生きものがいっぱいいたからだろう」って聞いたことがあります。ウナギもいる田んぼ!おぉ、すごい!きっとドジョウもカエルもヘビもいっぱいいる!! こんな場所がずーっと将来にもあって、そんな場所が今よりもっと増えたらいいな、そう思っています。


編集後記:11月1,2日、下大和田で古代米の稲刈りをしました。赤・黒・緑米と色とりどりの稲たちは、この冷夏にもたくさんの実をつけてくれました。稲穂の間に、カヤネズミの巣を4個見つけました。一つの巣から、4頭の子ネズミが飛びだしてきて、びっくり。田んぼはこんな生きものも育むんでいたのですね。  mud-skipper