ちば環境情報センター
2002.2.6 発行    ニュースレター第55号
代表:小西由希子

目次
  1. 庭に来る鳥たち − ミニサンクチュアリ −
  2. 古着の行方

庭に来る鳥たち − ミニサンクチュアリ −

千葉市緑区 網代 春男 

毎年、人為的なことはしない方が良いのではないか と思い悩みながら 鳥達の愛らしさに負け、又、冬を生き延びたものだけが 本来の寿命を全う出来ると言う 彼らの厳しい現実を思い、山を切り開き 彼らを追い払った団地に住んでいる身の疚しさから、冬の間だけ庭に餌台を出しています。
与えている餌はヒマワリの種、屑米、リンゴの芯と皮、傷んだミカンなど。最近はリンゴの芯も皮も健康に良いとのことで 人様が食べてしまうので果物類は ほとんど与えていません。それと灰皿に水を張って水飲み場兼水浴び場にしています。不用の火鉢 2つも水を張り 水草の鉢を沈め庭に出していますが、これも水飲み場兼水浴び場になっています。
庭はミニサンクチュアリを意識して、柿 万両 山椒 がまずみ 南天 あけび にしきぎ 椿 土佐水木 など 鳥の好むものを植えています。草もイヌタデ ミズヒキなど庭木の下草に足の踏み場もないほどに茂らせています。この種も餌になっているようです。落ち葉も掃除をせずにそのままにしています。
土気駅周辺はあすみが丘の街並みが整い大きく変貌しました。今又、東地区が開発されています。
私の家は土気駅の北西、北口から徒歩7分の土気団地の中、入口に近い方にあります。200世帯の一戸建て団地ですが、団地入口の東側にはマンションが建ち、南側はJRの線路。団地は北西に奥行き深くなっていて高津戸の谷津田に接しています。北側は元斜面林の一部に接し、その上の台地は畑になっています。
このような環境にありますが庭にも鳥はたくさん来ています。終日見ているわけではありませんが今年元旦には、キジバト、ヒヨドリ、アカハラ、ツグミ、ウグイス、シジュウカラ、スズメ が来ました。元旦には見かけませんでしたがメジロも常連です。シロハラ、アオジ、ジョウビタキ、シメも来ています。時には混群でエナガ、コゲラもきます。アカハラ、シロハラは落ち葉を一枚一枚返して餌を探しています。ジョウビタキはこの冬 ♀の個体が この辺りを占有したようです。
ここ10年ほどで庭に来た鳥は27種を数えました。しかし、この辺りの環境の変化に伴って、庭に来る鳥達の生態も変化してきたように思えます。
昭和56年にこの地へ引っ越してきた頃、土気駅南側は ほとんどが山と畑でした。夜 灯火には たくさんの虫が集まり、夏の夜 団地の街灯にアオバズクがとまっていたりしました。この頃は毎年20種ほどの鳥が庭に来ていました。
60年台半ばには土気駅南側が開発造成され、先ず虫がいなくなりました。鳥は土気駅南側から北側へ移ってきたのか減ったようには感じませんでした。ただ虫は大幅に減り街灯に集まることはなくなりました。いずれ鳥達に影響が出るのではないかと心配です。
あすみが丘の街が完成すると、今度は土気団地のある北側のほうにもマンションが建つようになりました。平成9年には団地の東方にあった杉林がマンションに置き替わり、朝 杉林で鳴くコジュケイのチョットコーイの声で目覚めることもなくなりました。カケス、オナガ、カワラヒワなどは庭に来なくなりました。彼らの好む環境が周辺にはまだたくさんあると言うことでしょうか。この頃から庭に来る鳥は15種前後に減っています。
一方で早くから 街の中にも定着したヒヨドリ、シジュウカラ、メジロ、キジバトなどに加えてウグイス、エナガ、コゲラ、冬鳥のアオジ、アカハラ、シロハラ、ツグミ、ジョウビタキなどは周辺の環境が変わっても庭に来てくれています。ミニサンクチュアリの成果であれば嬉しいのですが、人が彼らの住処に進出し、やむを得ず街に定着しつつある姿ではないかと 憂いてもいます。
超ミニビオトープ、ミニサンクチュアリではあっても 庭の植物、生き物を豊かにして、彼らの暮らしに役立ってくれれば嬉しいと思っています。


古着の行方

及川です。伊原さん、ご相談です。

船橋の友達なのですが、ファイバーリサイクルネットがつぶれてしまい、困っています。彼女は、市に分別して捨てようとしたらしいのですが、どうやら、分別させておいて実際は、燃えるごみと一緒に燃やしているらしいと、腹を立てています。
ただ、着られるようなものは皆リサイクルに出しているので、困っているのは"着るには難あり"の衣類ばかりなのです。私は、地区の子供会の収集日に出していますが、船橋ではないらしいです。何か良い方法はないでしょうか?

伊原
本来衣類は、100パーセントリサイクル可能な商品と聞いています。木綿はウエス、その他の素材は、細かく裁断してフエルト状にして、車の防音材やマットレス等に・・・。
そんな産業がかつて存在していました。しかし現在、製造工場が海外に行ってしまったり、価格の暴落でそれは成り立たない状態になり、古着回収の方も、一度回収した衣類の中から中古衣料として売れる商品を抜き出し、それ以外のものは自治体に戻し、燃やすものとして扱われるのが現状のようです。そのため、現在、衣料は循環できない商品とさえ言われています。
企業の努力で、植木鉢になったり紙になったりという、いろんな使用途の研究も進んでいますが、どれも生産ベースにするには難しい状態です。確かユニクロが、フリースを燃料リサイクルにするという宣伝記事が新聞にデデーンと載ったことがありますが、あれは、100パーセントポリエステルだからこそできるリサイクル方法だそうです。
そんな現状を知ってから、私の衣類に対する目が変わり、商品として選ぶ時点でかなり考えるようになりました。安易に安い衣料やデザイン性に捉われず、@丈夫な生地で長持ちするか A多様面で着こなせるデザインか、B袖や首が傷んでも、その他の部分は作り替え(ポーチやクッションなど)したくなるような素材や柄か、C汚れが多少生じてもわかりづらいデザイン・色・柄か、など、その衣料商品の未来をかなり考えて買うようになりました。素材も、出来るだけ綿100パーセント。着心地がいいだけでなく、一番使用先の幅がある素材だからです。
そうそう、私の職場(老人保健施設)では、入所者の体を拭く布として、綿素材は重宝されています。もちろんそこでも過剰気味になっていますが、家で生じた綿衣類は、そちらに持っていったりしています。
とにかく衣類の寿命を極力延ばす方法をかんがえるようになりました。そして基本的には、家庭用ウエストして使いきりを心がけています。(綿素材以外も)現状では、リサイクル先を探すより、使いきりの方法を自力で模索したほうが賢明です。そして何より、家庭内に衣類が氾濫しないよう、買い替えを控える必要もあるかと、私は、思っています。


編集後記:2月2日タウンミーティングの午前中、環境省の環境事務次官や自然環境局長との懇談会にオブザーバーとして参加しました。千葉県でも知事を始め局長さん達とざっくばらんな懇談ができる機会があったらいいなと思いました。mud-skipper