ちば環境情報センター

1999.3.1.発行    ニュースレター第20号
編集責任者:古川美之 

目次

  1. 道路交通騒音対策の新技術
  2. 川野博士の豆知識3 −「右岸と左岸」
  3. エコリーダー'98〈愛称:エコチュー〉が発足
  4. 新たに誕生した「千葉エコネット」
  5. 市民の森ガイドその4 ーー「加曽利貝塚公園」 
  6. 今どき環境問題と言うけれどもとを糺せば木の魂の空間である
  7. ゴミを減らそう 〜クリーンバスツアー〜 

道路交通騒音対策の新技術

白子町 石井 あきら

最近、道路にちょっと色の濃い舗装がされているのをご存知でしょうか? 自動車で走っているとグレイの舗装面が黒っぽく変わったなと思ったところで、自動車の音のシャーと言う高い音色の音がスーとかゴワゴワとか低い音色の音に変わることに気づいたことがあるでしょう。
黒っぽい舗装面をよく見ると骨材の砕石が黒い塗料のようなもので接着されていて、穴がたくさんあいているように見えます。これは高機能舗装(日本道路公団の呼び方)とか、排水性舗装、あるいは低騒音舗装と呼ばれる舗装なのです。従来の舗装の仕方はアスファルト乳剤の中に骨材の砕石があったのに比べ、この高機能舗装は改質アスファルトを接着剤にして砕石をくっつけたものです。この構造は夏の暑さで路面が軟らかくなることはありません。わだちが出来にくい構造です。
高機能舗装は穴があいていることから通気性・通水性があり、雨水を舗装面にためずにしみこませて排水するので水はねが減り、水溜りが出来ないのでスリップしにくくなります。そして高速で回転するタイヤが路面をたたく時に、タイヤの溝の中の空気が路面と衝突破裂して生じる音が、高機能舗装の場合、穴からタイヤの溝の空気が逃げてしまうので無くなり、自動車騒音の一つが低減されるのです。この騒音の低減効果は3から5dBあると言われています。騒音の単位はデシベル(dB)で、同じ強さの音が二つあると3dBほど高いレベルになります。5dBの違いになるとそのレベルの差を耳ではっきり聴き取ることが出来ます。

さらに新しい技術の一つにトナカイの角型の防音壁があります。防音壁の天端に断面がトナカイの角の形をした構造の新型防音壁取りつけます。これによって3dB程度の騒音低減効果が期待されます。
また、道路の歩道に低い背の防音壁機能を持たせた植栽枡を置くのも騒音低減に効果があります。最近の日本騒音制御公学会研究発表会論文集に詳しい情報が報告されています。

川野博士の豆知識3 −「右岸と左岸」

生徒:右岸とか左岸とかときどき耳にするけど、川の右と左はどう決められてるの。上流を見たときと下流を見たときでは左右が逆になってしまうから、私いつも迷っちゃうの。
博士:そうだね。よく聞かれるんだけど、ちゃんと決まっているんだよ。水が流れていく方向、つまり上流から下流に向かって右手側を「右岸」,左手側を「左岸」 というんだ。
生徒:わかった。今日のは簡単ね。
博士:でもこういうのって時間がたつとまたどちらだったかわかんなくなっちゃうから気をつけてね。


小さなグループが元気に産声を上げました!!

エコリーダー'98〈愛称:エコチュー〉が発足

千葉市 高平道子

昨年12月、千葉市の「環境学習指導者養成講座」を終了した私たちは、さらに続けて「環境によい生活を送れる」よう、学習や活動をするために自主的・市民グループを作りました。火曜日に活動するので"エコ・チュー(ECO-TUE)"が愛称です。初めて知り合ったのに講座の終わり頃にはそれぞれのすばらしい個性を発見しあい、もっと一緒に学習・活動してゆきたいという気持ちになりました。メンバーは20代から80代の15名の男女で、さまざまのパワーが出るようにと月毎に担当を決め、活動が始まりました。
1月は県立中央博物館の生態園・野鳥観察舎で自然を感じ、2月は都市緑化植物園に集まり、都川総合親水公園計画地内の「太郎の湧水」や旧河川跡を歩きました。活動の中で、「プラスチックの7分別」や「環境ホルモンの溶出について」など、簡単な学習講座(ワンポイントレッスン)も盛り込み、楽しみながら学習や活動をしています。
小さなグループ、小さな活動ですが、さまざまのメンバーの良さを出しあい、楽しく意義ある活動になっていくと思っています。小さなグループではやりにとげにくい「ゴミひろい」などの活動は他のグループとの協同もやってゆきたいと思っていますのでよろしくお願いします。今後の予定は…

場所 内容 場所 内容
3月 泉自然公園 カタクリの花の観察と春の芽生え 6月 都川 大気の汚染をみんなで調べよう
4月 千葉寺公園 桜の春を感じよう 7月 都川 ダイオキシン学習会
5月 都川 川にはいって魚と戯れよう 8月 稲毛海岸 ゴミ拾い

新たに誕生した「千葉エコネット」

八千代市 松尾 昌泰

平成10年の千葉県エコマインド養成講座「一般実践コース」を受講した29名が、お互いに連携を持ち協力していくために、ゆるやかな会「千葉エコネット」(代表 野村幸平)を設立しました。 目的は、勿論、環境に関する知識とマインドについて、楽しく、相互に情報を交換し、更なる向上をはかり、恵み豊かな環境の保全と将来への継承に貢献することです。
会員は、環境問題に既に取組んでいる人、これから取組む人などまちまちで、また千葉県に広く分散しており、運営の難しさはありますが、1月に県環境調整課、県環境財団からの関係者立会いで、うぶごえをあげました。 さっそく2月には「谷津干潟の現状と課題」について勉強し、3月には君津で「炭焼き自然体験会」を計画しています。当面は勉強会(学習会)や自然体験会を開きながら会を軌道に乗せていきます。そのうち、この会の企画イベントなどを、「ちば環境情報センター」のニュースレターに紹介させて頂きたいと思っています。「自然に接し、自然を知り、自然を愛する千葉エコネット」をよろしくお願いいたします。
尚、連絡窓口は、松尾昌泰(八千代市047-488-5528、又は、中村昭夫(我孫子市0471-85-0533)です。


市民の森ガイドその4 ーー「加曽利貝塚公園」 

(今回は市民の森ではありませんが、「加曽利貝塚公園」を紹介してもらいます)

千葉市若葉区  村杉久子

千葉市若葉区には加曽利貝塚公園があります。縄文時代中期の北貝塚、後期の南貝塚がある日本最大級の貝塚です。134,500m2が保存され、国の史跡に指定された公園となっています。博物館、貝層断面観覧施設、復元集落などの施設から、縄文時代の人々の生活の様子を知ることができます。公園の西側は住宅地に隣接しています。東側には坂月川が流れ、向かい側には小倉台地の雑木林が広がっています。季節ごとの雑木林の景観は見事です。春、北貝塚の林にコブシの花が咲きだします。木々は芽吹き公園はすばらしい季節になります。南貝塚の草原にはアマナ、フデリンドウ、ウマノアシガタ、ツルカノコソウと次々に野草が咲きだし、草原を賑わします。広い草原にはクヌギ、クリ、コナラ、エノキなどの木が点在して、秋にはどんぐりがたくさん落ちています。落葉樹が多い公園は、冬には多くの野鳥を見ることができます。南貝塚の草原は郊外でもあまり見られなくなったレンリソウなどの野草があることで知られ、草刈りの時期を10月以降にするなど保護されています。人工的な公園が多い中、自然のままにしてある草原、子どもたちが草の中で遊べる草原、ここは貴重なところです。市街地 に近く、しかも素晴らしい自然の残る加曽利貝塚公園、皆さんお出かけになりませんか。
交通:JR千葉駅まえ京成バス9番のりば、千城台車庫行(国道51号経由)桜木町下車、徒歩15分; 又は、千葉都市モノレール桜木駅下車徒歩15分。
加曽利貝塚博物館入館料:大人(15歳以上)60円、小・中学生30円、団体は(30名以上)大人50円、子供25円。
開館:9:00から16:30(ただし入館は16:00まで)。


今どき環境問題と言うけれどもとを糺せば木の魂の空間である

四街道市千代田公民館日曜大工講師 小山田利雄

今の中学生の世代が政治をすると理想社会がうまれると言う説が有るが、以前から私はこう考えていた。そのころ私は北海道の山奥に住んでおり、10キロ先の市街地の小学校高等科に通っていた。学校から帰ると魚釣り、木鼠(エゾリス)狩りに夢中になっていた。偶、深山幽谷に踏み込み二度と遭遇しないようなことを体験した。昼なお暗きうっそうとした樹林。幽かに聞こえるセセラギの音。時をおいてはるか彼方から忘れたように「カーン」という木にしみ込むようなキツツキの音(音楽)皮膚を洗い浄めるような冷(霊)気の漂い。研ぎ澄まされた静寂さ(宗教)かすかな木もれ日の日溜まりの温もりに、あざやかに浮き上がる木の葉の黄葉。今だにあの黄色は脳裏に刻まれている。(絵画)これはまさしく、木の霊魂の世界であり、そしてそこから山岳宗教、樹木信仰が始り、自然界に畏敬の念を抱いた宗教の原点ではなかろうか。鳥たちでさえ、神秘的なものを感じて近寄らない。また、今ひとりの妹も同じ体験をしたと言う。昨今、登山ブームで高いところばかりに視点が有るが、深山幽谷などの低いところ、また海溝底面の深くて低いところにも目を向けて、あらゆる汚染の度合いがどうなって いるのか心すべきではなかろうか。日本列島は四方海に囲まれ寒暖流で、緑藻繁茂し、また台風の洗礼をうけて大気汚染を浄化し、国土山川草木緑陰を生み、変換に満ち溢れた四季を味わえる風土であり、世界中どこを探してもこんな自然界をもった国があるだろうか。車一台走らせても、飛行機一機飛ばしても、いや人工的な音をだしただけでも、大気は汚れるのである。まして、今日の日本の現状は何をか況んやである。 かけがいのない財産をむざむざと葬り去り、かつまた汚すのは本当に勿体無い話である。4、5年前北海道に行った折、夢中になって少年の頃にタイムスリップしたが、かかる環境は見当たらなかった。この様なことは、徐々に徐々に、科学物質が大気から風雪にそして土壌にと残留し、植物が呼吸(同化作用)しにくくなっているのではなかろうか。由々しき環境問題である。 国土の自然界に護られながら悲喜交々、喜怒哀楽、木の魂を求めて人生の旅路を楽しんでいる今日この頃である。


ゴミを減らそう 〜クリーンバスツアー〜 

千葉市花見川区 伊原香奈子

千葉市環境局が毎月1回行なっている゛クリーンバスツアー"に今回参加してきました。これは市民にゴミ処理工場を見学してもらい、現状を知ってもらおうというものです。現在ゴミ処理費用は、千葉市では年間161億円。一人が1回に出す量は小さくても、年間通せばかなりの量。当然、市全体となれば莫大な費用が必要となっているのです。
清掃工場で可燃ゴミとして出されているものを見ると紙やダンボールが目に付きました。なんと現在可燃ゴミの約45%は紙類だとか。ティッシュとかは無理としても是非廃品回収ルートにのせたいものです。それだけでも大幅なエネルギーと費用の節約になります。しかし一方で問題となっているのが、古紙あまりの現状。最近は、再生紙もかなり安くなってきています。買う前には是非リサイクル表示がついているかを見る癖をつけたいものですね。他に是非心がけたいものといえば、袋持参でのショッピング。安易にゴミになってしまうレジ袋も1枚8g。1世帯で1日1枚これを減らしただけでも年間一千トン、約5億円の節約につながるそうです。レジ袋はできるだけ断り、やむを得ずもらってしまったのはリサイクルバンクの回収ボックスへ持っていきましょう。(詳細ニュースレター16号)千葉市に限らずどこもゴミ問題は深刻です。一人一人が面倒がらず分別し、ゴミは極力減らさなければいけません。そして間違っちゃいけないのは、リサイクルされるからといって気楽に物を買わないことです。リサイクルするにも多くのコスト、様々なゴミがまた生まれているのです。  日頃ゴミ減量、リサイクルには心がけている私ですが、クリーンバスツアーに参加することによって、なお気が引き締まる思いがしました。まだ参加されたことのない方は、是非参加してみてください。そして一緒に考えていきましょう、ゴミ減量・リサイクル化を。


お知らせ

♪〜どこかで春が〜♪

生まれたばかりの小さな春を見つけにいきませんか?
佐倉市小篠塚の春に会いにいきます。メダカもいっぱい…
日時:3月22日(振替休日) 10時〜
集合:京成佐倉駅北口ロータリー10:00
JR佐倉駅北口ロータリー  10:15
参加費:200円 要申込み
主催:ちば環境情報センター 
申込み:小西(043-266-0383)まで
ホームページ活用シンポジウム
地域情報を発信して市民生活を豊かにしている人
たちを交えた、情報発信による地域活性化とは
どのようなものかを探ります。
日時:3月27日(土)13:30〜15:30
ところ:柏市中央公民館
司会・まとめ役:原 耕造氏(電通)
パネラー:流山情報ステーション
ちば環境情報センター
習志野市大久保自治会
柏市ホームページ
費用:無料
問合せ:柏市中央公民館(0471-64-1811)
ふれあって都川 2
「川のクイズラリー」「種を植えよう」「鱒つり大会」
おもしろいことが待っています。
参加お待ちしてます。
日時:3月27日 (土)
場所:都川第4浄化施設(千葉市若葉区加曽利地先)
主催:都川の環境を考える会 
連絡先:043-222-0880
千葉市リサイクルフェスタ
日時:3月21日(土) 10時〜15時
場所:稲毛海浜公園
ちば環境情報センターも環境相談コーナーで協力します。
リサイクルバザーなど盛りだくさん。
ぜひのぞいてみて下さいね。
アースデイいちかわ「循環都市をめざして」

シンポジウム:
「水循環・資源循環・環境共生住宅」
日時:4月17日(土)午後:13:00〜16:30
場所:市川公民館視聴覚室
参加費:500円  申込みは事務局まで

江戸川クリーンアップと水辺斜面林ウオーキング
市川から松戸まで8キロ(小雨決行)
日時:4月18日(日)10:00
集合:京成国府台駅改札口

主催:アースデイいちかわ実行委員会
事務局:平松 南  047−375−2987
    藤原寿和  047−373−4006 

編集後記:期限ギリギリで原稿を書いていると、大学時代を思い出す。書きたいことがいっぱいの時に字数制限内で書くのは結構ツライ。(伊原)

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