ちば環境情報センター ニュースレター 

ちば環境情報センター > ニュースレター目次>ニュースレター第165号 

2011. 4.8 発行    代表:小西 由希子

目   次

  1. 東日本大震災で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます
  2. 工夫のすすめ
  3. 千葉県内の活動団体紹介 3

東日本大震災で被災された皆様に
心よりお見舞い申し上げます

NPO法人 ちば環境情報センター代表 小西 由希子

 1000年に一度という未曽有の大地震と、想像を絶する大津波による被害の大きさに言葉を失いました。亡くなられた多くの方々のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。また、被災された方々の苦しみの毎日を思いますと、力になれないもどかしさでいっぱいです。千葉県内でも旭市などで津波によりお亡くなりになったり、浦安市,習志野市,船橋市,千葉市美浜区などでは液状化で家が傾いたり、ガスや上下水道に深刻な影響が出ており、一日も早い復興を願うばかりです。
 さらに、地震、津波被害に加え、東京電力福島第一原子力発電所が危機的事態に陥りました。
 多くの住民が避難を余儀なくされ、先の見えない状況です。農作物の放射能汚染は広汎にわたり、農業への影響は計り知れません。また、千葉県でも水道水から乳児の暫定規制値を超す放射性ヨウ素が検出され、幼い子どもがいる家庭では不安を抱えています。国や自治体からの報道が「安全」といえば言うほど、もしかしたら危ないのかもしれない、との不安がよぎります。原子炉核燃料の損傷の可能性が示唆されるとの報道もあり、改善どころか日を追って深刻化しているのが現状です。事故の詳細についてもっと十分で的確な情報提供が強く求められます。
 計画停電により、私たちはこれまでの暮らしがいかに原子力発電に依存したものであったかを思い知らされました。ガソリン不足や被災地のご苦労を思うと、今私たちできることから始めようと、省エネ暮らしを意識し始めた方々も多いかと思います。薄暗い商店や暖房を控えた電車に、多くの方が「これでもいいじゃない」と感じたでしょうし、家族が一つの部屋で過ごしたり、夜は早く帰宅する生活など、今までとは違ったライフスタイルに新鮮さを感じた方もいらっしゃることと思います。
 原発の不安さを口にしながらも、私たちは便利さにあぐらをかいてきました。便利さの代償が原発事故というのはあまりにも過酷すぎますが、これが現実です。そして、チェルノブイリの事故でもそうであったように、現場関係者がすでに被爆事故にあっており、収束のためには必ず誰かが犠牲になる事態に、言葉に表せない苦しさを感じます。
 自然の力の前には私たちはあまりにも無力ですが、絶対安全といわれていた原発が、「絶対に安全ではない」ことを学びました。技術を駆使して「絶対安全」な原発に依存し続けるのか、少しだけ不便な生活を我慢しても将来の子どもたちに安全な地球を残すか、私たちの選択が問われています。
国は、今ある原子力発電所の徹底した安全対策を講じると同時に、原子力推進のエネルギー政策そのものを変えるべきと考えます。そのためには、為政者だけでなく私たち一人ひとりがどんな暮らし方を選ぶか、身をもって示していかなければならないと強く感じています。

工夫のすすめ

 当会では非常時の過ごし方、私たちにできることについて、会員間で情報交換を始めました。ご参考までに、ここに転載します。身近なところから始めてみませんか?(HPにも掲載しています。http://www.ceic.info/)
なお、ここに記載した情報の正確性や妥当性につきましては、当会で保証するものではありません。実行する場合は、各自の責任で行ってください。

【節電の工夫】
・冷蔵庫の設定をチェック。「強」に設定されていたので慌てて下げた。
・情報はテレビでなく消費電力が少ないラジオで得る(幸い災害時用の太陽電池付きラジオがあった)。
・電気ポットでお湯を沸かさない、保温もしない。
・電力需要の少ない早朝に掃除、洗濯を済ませる。
・風呂は日光のあるうちに入る。
・電気が必要な事は需要の少ない時間帯に済ませる。
・電力を必要とする場所に極力行かない。地震発生以来、電車には一度も乗っていない。
・携帯電話や、充電電池で事足りるもの(懐中電灯、ラジオ、ノートPC等)は充電電池で稼動させ(必要最小限ですが)、電池が切れたら電力需要の少ない時間に充電させていただく。
・携帯電話は必要な時以外は電源を切る。
・PCやテレビの画面の輝度を出来る限り落とす。製品にもよりますが、消費電力がかなり違います。
・インターネットを使用する時間を制限し、それ以外の時間はルーターやモデムのコンセントを抜く(光電話等で、電話を使いたい場合はできない場合有りなので注意)。
・会社では「暖房と照明をつけない」、「PCは本当に必要な方のみ使用する」という方針でやっている。
暖をとる工夫】
・照明や暖房を節約するため、家族は極力全員同じ部屋で過ごす。また、早寝早起きして、太陽光を最大限に利用する。
・部屋の中でも厚着をする。暖かい空気の層を体の近くにいかに多く作るかで違います。エアコン等の暖房は部屋全体の空気を暖める必要がありますが、厚手のジャンバーやオーバーズボンを着れば、体の周囲だけを効率的に暖めることができます。
・マフラーや帽子、マスクをつける事が体内の熱を逃さないコツ(NHKの『あさイチ』の情報)。
・風呂からあがったらすぐ寝る。また、湯たんぽを布団に持ち込んでいる。湯たんぽのお湯は翌朝洗面で使っている。
・湯たんぽを毛布にくるんで食卓の床に置き、さらにひざ掛けをして炬燵代わりにしている。家の中での居場所を一か所にして湯たんぽ炬燵で過ごしている。パソコンも食卓に移し、身の回りのことはここで済ませるようにした(家を建てるとき床暖房にしたので、ストーブは置いていない。エアコンもほとんど使わないで済むようになった)。
・ペットボトルにお湯を入れて、タオル等でくるんで身体につけたり、夜は湯たんぽ代わりに。キャップがオレンジのものは熱いお茶やお湯を入れても安全。普通のものでも、60~80度くらいのお湯なら大丈夫。火傷や低温火傷等に注意。
・あたたかくして、風邪をひかないことがみんなのためにも大切。
【ガソリン節約の工夫】
・幸い自転車圏内で用が足りる地域のため、11日の地震発生以来、自動車は一切乗っていない(もっとも幸い普段からほとんど乗らずに済んでいる)。
・40分くらいなら、歩いていけるところは歩く。
・自転車をフルに活用している。
【節水の工夫】
・手洗い等では洗面器を使い、残りの水は水洗用に溜めておく。※ニュースレター153号『ちょこっと工夫でエコクッキング その6 水を大切に~だから、「洗いおけ」~』参照
・お米のとぎ汁は下水に流さずに、庭の植木に。
・風呂は三日おきにしている。給水や下水処理の負荷を少なくするため。
・計画停電に備え、ポリタンクに水を確保(モーター給水のため水が出なくなる)。
【食事の工夫】
・食料の買いだめはしない。パンを焼いたり、餅をついたりして保存している。野菜は畑のもので出来るだけ済ませている。
・子供の学校がお弁当なので、できるだけ質素なお弁当を持たせている。
・子どもの提案でご飯も土鍋で炊く。※ニュースレター149号『ちょこっと工夫でエコクッキング その2 鍋を使ったごはんの炊き方について』参照
・余熱を利用した調理器具を使っている。※ニュースレター156号『ちょこっと工夫でエコクッキング その9 保温調理のススメ』参照
・薪はたくさん用意してあるので外で煮炊きもできる。
・電力需要の少ない早朝などに炊飯などの一日分の調理を済ませておく。
・ガスの節約のため、料理は出来るだけまとめてしている。今後、発電にガス(LNG)がまわされるかもしれない。
【その他の工夫】
・ゴミを少なくしている。今以上にゴミを出さない。焼却場の負担を減らすため。今後ゴミの収集も減るのではないか。
・生ゴミを乾燥させたり、堆肥化したりしている。
・布オムツを再開した。
・小額でも義援金をだしている。
・子どもがいる家庭として心がけているのは、必要以上の情報や映像を見せないこと。適正な情報は共有するが、過激な映像や繰り返される不安な映像は見ないようにしている。繰り返し同じ映像が映し出されると、大人でも不安になる。そして、親としてはできるだけ明るい色の洋服を着て、明るい話題を提供するようにしている。これから大人になる子ども達に、今大人たちが協力し合っていることの意義を伝え、震災に備える準備をすることを学び、そして不安だらけの将来ではない、夢をもって大きくなってほしいと思っている。
・社宅の空き家を避難者に使用してもらう予定。
・経営しているアパートの空き部屋を被災者に使用してもらうことにした。  
    

千葉県内の活動団体紹介 3

 <団体名>
 タバコ問題を考える会・千葉(略称TMKC)
<活動場所>
月1回、船橋市(2軒ある会員店で交互に)ほか会員居住地域で定例会を開催。日程はホームページ、千葉環境情報センターのイベント情報、ホームページの談話室参照。または事務局へ。
<活動内容>
 1994年1月9日、JR船橋駅構内で歩きタバコの火が幼児のまぶたに当たり火傷を負わせるという痛ましい「船橋駅事件」から遅れること5年の99年1月9日、船橋のタバコ環境を憂える有志が中心となって発足しました。メンバーは、船橋だけでなく、千葉、市川、八千代、松戸など、千葉県各地から集まっています(2011年3月現在108名)。
 タバコを吸わない人の被害を最小限に抑えるために、路上を含めたあらゆる公共的な場での禁煙を推進するとともに、新しいタバコ(ニコチン)依存症患者をつくらないよう働きかけていきたいというのが、メンバー共通の思いです。
 2002年には教育部会が発足、学校や県などからの依頼を受けて県内各地で禁煙・喫煙防止啓発講演を行なっています。幕張メッセで開催される「エコメッセinちば」など環境、健康、市民活動のイベントに出展参加。また、終日全席禁煙の飲食店などの情報を集め、紹介しています。
<連絡先> 
事務局(島崎):TEL(047)490-8606/FAX(047)490-8607,
        E-mail:yo-smzk@nifty.com
HP:http://homepage3.nifty.com/tmkc-island/index.htm (「tmkc」で検索可)

【発送お手伝いのお願い】

ニュースレター5月号(第166号)の発送を 5月9(月)10時から事務所にておこないます。発送のお手伝いをしてくださる方を募集しています。よろしくお願い致します。


編集後記 :なんということでしょう。先月号の編集後記で懸念していたことが、現実に起こってしまいました。いや、それ以上の災害が起きてしまいました。地震・津波・原発破壊。一次、二次、三次災害という言葉が使われていますが、原発は我々人間社会が作り出したものです。想定外という傲りを捨て、この窮地を乗り切りましょう。  mud-skipper