ちば環境情報センター
ニュースレター第14号
1998.9.5発行 編集・発行:ちば環境情報センター 代表:小西由希子

子供環境講座報告

五感を使って感じよう!気づいたことを暮らしに生かそう!

松山みよ子

 私たちの身近な環境について、楽しいゲームや体験を通して考えようと8月1日(土)2日(日)の二日間、柏のさわやか県民プラザにおいて小学校高学年を対象とした子供環境講座が行われました。
 スタッフは、ちば環境情報センターの10名(藤田、古川、小西、伊藤、小森、田島、服部、中村、徳野、松山)です。今回の行事は、企画から運営までそのすべてを市民参加のかたちで実施できました。

<1日目>
午前・仲良くなろうアイスブレーキング
    アコーディオンのおじさんと歌おう
   ・ネイチャーゲーム
    @私の木 A木にささげる詩
午後・飲む水,出す水,千葉の水 ・水の旅
<2日目>
午前・五感を使ってネイチャーゲーム
   @カモフラージュ A木の葉カルタ
   Bふたごっこ
午後・君も小さなグリーンコンシューマー
   ・私だけのエコバックをつくろう

 あれもこれもおもしろそうと欲ばりすぎた二日間。子供達はネイチャーゲームやエコバック作りが気に入った様子でした。木や植物を違った角度から見たり触れたり考えたりすることで、「もっと知りたい!やってみたい!」と言ってくれたお友達。みんなみんな自然と仲良くなれ、林の中にとけこんでいきましたね。
 自然の中での遊びを通し体験した驚きや感動,発見。体験学習の積み重ねによって、心の感性は磨かれていくことを感じます。そしてその思いが生きている命のつながりや、環境を大切に考えたり守ったりする道しるべにつながっていって欲しいと願っています。
 子供の個性も十人十色。環境学習は、やる人達のやりやすい方法で、いろいろな場所や機会をとらえて地域の中で市民参加の形ができると良いと思います。今回の企画はその第一歩。私達もしっかり歩み、未来への種をまき、いつの日か大きな花となってくれる子供達を見守っていきたいと思います。
(暖かく助言して下さいました県の環境調整課、財団の皆様本当にありがとうございました。お世話になりました。)


 これまで私たちは県が主催する子供環境講座にファシリテーター(引き出し役)として参加してきました。しかし今回は企画から進行まですべて県から任せていただきました。主催する側にはきっと大きな冒険だったことと思いますが、良い経験をさせていただいたと心より感謝いたします。
 環境学習を体験したいとエコマインド養成講座(県の環境講座)で」学んでも、学校あるいは子供会にかかわっているような人でなければ、実際に学んだことを生かす場をなかなかもてないのが実状です。また教師でも環境教育をやりたいけれど方法を知らない、やってくれる人を探しているといった人もたくさんいます。
 学んだことを実践し、経験を重ねてその力を社会で生かしていければすばらしいですよね。ちば環境情報センターでは、今後もこうした実践の場の提供やご紹介をおこなっていきたいと思っています。「こんなことをしたい」「こんな情報がある」というときはぜひお声をかけて下さい。そして皆さんもどうぞ積極的にご参加下さい!

小西由希子

地球にやさしい食べ方

南川忠男

 肉より穀物を食べると地球環境に与える負荷が小さくなります。昔は自然放牧で家畜を飼っていましたが今は商業的に大量の食肉を生産しなくてはならないために、コーン等の穀物で飼育しています。豚肉1kg作るのに穀物が4kg要ります(牛は7kg)。
 又、家庭の主婦が調理時間を短くしようとすると、食べた満足感がするできあいのすでに味のついている肉加工品を選びます。摂取脂肪が増えると肥満のみならず、脳血栓,大腸ガン等の循環器系の病気が増えてきます。DDTは日本では1971年まで製造されておりましたが、牛の脂肪には根菜の60倍濃縮していき、それを食べた人間はさらに自分の脂肪組織に濃縮させておりました。右のグラフはその濃度変化ですが、リンゴや野菜は大きく低下し、肉類はゆっくり低下したが、やはり生体濃縮の頂点にいる人間の母乳はほんの少し減っただけです。問題になってきた環境ホルモンの取り込みを少なくする最もよい方法は食物連鎖の下位の食材すなわち穀物や野菜を多く食べ、肉は蛋白質を補うくらいが望まれます。国内のひとりあたりの食べ物の消費は1997年に520kgで、カロリーベースでは58%の食料を輸入しているのに全体の38%は残飯や期限切れか手付かずで捨てられております。一方、今でも地球上では8億人が空腹を抱え、栄養不足になっております。飢餓者は乳幼児や弱い老人を中心に1日に4万人(1分で28人)にのぼっております。38%の食べ残しが南の国にもっていければ明 日4万人は餓死しません。今後8千万/年の人口増加が予想されておりますが、このまま飽食の時代は続きそうもありません。工業先進国での肉消費を適正な量まで落とせば、その分の穀物で何万人の貧しい人々が助かるでしょうか。食べることは環境に大きな影響を及ぼしています。ひとりひとりの影響は小さいが、「何を食べるかで地球の環境がかわります」。(図2点あり)


備長炭と塩だけで洗濯                                 ちょっとひとこと

ひもでバラバラにならない様に洗濯ネットに入れる
@予洗い(3分)→A脱水(1/2分)→B洗たく(6分)→C脱水(1/2分)→Dすすぎ(3分)
→E脱水(3分)→干す

B、Cの時のみ 塩小さじ2、備長炭を洗濯機に入れる。

利点 
  • 洗濯物がしなやかに仕上がる
  • 洗剤がいらない
  • 水の使用が少なくて済む
  • 短時間で仕上がる

新刊の紹介

「環境を守る最新知識」
ビオトープネットワーク−自然生態系のしくみとその守り方−
編著:(財)日本生態系協会(問い合わせ:03-5951-0244)
発行所:信山社サイテック  定価:本体1900円(税別)(A5版,192ページ)

 環境問題に関する書籍は現在でも多数出版されています。しかし、その多くは環境問題を個別にとらえて述べるものが多く、自然生態系を持続不可能にする問題として全体的にとらえているものはあまりありません。わが国では、身近な環境問題というとゴミの埋め立てなど、結果として現れた現象をとらえる傾向がありますが、生活上に隠れる原因からしっかりとらえることが重要です。この本では、自然を守り、回復するための、生物多様性の基礎知識から、保全生態学、法制度、国土計画による自然生態系の保護・回復まで、総合的に解説しています。 日本生態系協会は政策提言型の環境NGOとして、問題の提示にとどまらず、解決の方法を具体的に示すことを目指して活動しています。自然生態系を守り、回復させ、同時に持続的に利用していく社会に向けて、国づくり・街づくりはどうあるべきか?私たちは今なにをしなければならないか?ぜひ、ご一読下さい。  (柳沼 薫)


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