ちば環境情報センター

1998.8.1発行 ニュースレター第13号

 編集・発行:ちば環境情報センター 代表:小西由希子


目次

  1. 「パートナーシップ」って何だろう
  2.  シンポジウム 地球温暖化
  3. まちづくりは里山で・・・
  4. 手繰川 川遊びに参加して
  5. ちばに もひろめよう 雨水利用
  6. 事務局からのお知らせ

「パートナーシップ」って何だろう

財団法人 千葉県環境財団 環境学習推進室長 伊豆守彦

環境問題が日本国民に強く関心をもたれるようになった昨今、その解決に欠かすことのできないものの1つとして、パートナーシップの重要性が叫ばれて久しいですが、今一度「パートナーシップ」について考える時期になっているのではないかと思い、私見を述べさせていただきます。

本題に入る前に、私は基本的に横文字を安易に使うことを望まない質で、できればこの「パートナーシップ」についてももう少し妥当な日本語があれば使わずにいたいのですが、とりあえず「友好的な交友関係」という意味で話しを進めたいと思います。

さて、パートナーシップは本当に必要なのでしょうか?
先日、三島のグランドワークの視察に行ってきました。ここは、市民や行政が一体となって、自分たちの住む地域を守っていこうと、具体的な活動を起こして、今では町の中に美しい湧水が蘇り、グランドワークの成功例として日本中に広く知られています。これは、みんなが美しい町を作ろうという一つの目的に向かって心を合わせ活動し、パートナーシップが一つの手段として、うまく機能した例だと思います。

しかし、パートナーシップという耳触りのよい言葉は、うっかりすると手段ではなく、目的のように思われがちなところがあります。そのため、繋がったり広がったりすることにそれぞれにの多くのエネルギーを費やしてしまうことにもなり兼ねません。
はじめに目的があり、それを達成するために、時にパートナーシップが必要であったり、またある時は、個人あるいは一団体が独自に活動したほうがよい場合があるのですから、パートナーシップが本当の意味で必要はのか、その都度慎重に考えていくことが大切です。
また、パートナーシップが必要な場面でも、目的によって繋がったり広がったりすることの適度な質と量があることは心得ておかなければならないようです。多分、人間が本来持っているパートナーシップへの許容量も限りがあって、ある限度を超えると機能よりも弊害の方が多く現れてしまいます。
たぶんパートナーシップという言葉が、意識的に使われているうちは本当に意味で定着しないのではないかと思います。未来環境に向かって、一人一人が明るく努力し、ふと横を見るとそこにあなたがいる。そんなつながりができればよいと思います。意識から無意識にかわるそのときが楽しみです。


 シンポジウム 地球温暖化

COP3総括 in 千葉実行委員会 細谷 貴(千葉大学)

 去る6月21日(日)13:00〜 千葉大学けやき会館においてCOP3総括 in 千葉実行委員会主催によるシンポジウムが開催されました。50名程の方が参加されました。
 最初に青年環境NGO 「A SEED JAPAN」に所属している千葉大学生、太田龍太郎さんが南北問題と、京都会議中のNGOの活躍を絡めてCOP3の報告を行い、続いて江戸川大学教授の親泊素子先生が、ベトナムでのケーススタディーという内容で現地の体験を交え講演されました。
 その後のリレートークは環境カウンセラー 南川忠男さんの「大学キャンパスからのエコ革命について」,エコネット市民の会 田中富士男さんの「環境NGOの役割について」,温暖化防止首都圏連絡会 増原直樹さんの「環境自治体を作ろう」というテーマで話をしていただきました。
 第2部の参加型企画として参加者全員が6人ほどのグループに分かれ、環境家計簿をもとにした生活チェックシートをつけて自分の生活を自己判断した後、それをもとにどうすればCO2 が削減できるかということについてグループディスカッションをし、各グループからの発表がありました。グループ毎、十人十色の方向性があり、熱気にあふれていました。
 また、会場全体でのCOP3排出量の出るチェックシートをつけ、皆で412sのCO2 排出削減目標が出せました。
 閉会後の交流会にも大勢が参加し、活発な交流が行われました。


まちづくりは里山で・・・

佐倉市 小野 由美子

 佐倉ユーカリが丘近く、東邦大佐倉病院の裏手に、自然豊かな通称畔田谷津があります。水量,魚・カエルの種類は佐倉市内の谷津で一番豊富、昔ながらの棚田も千葉県で3本の指にはいるほど貴重なところです。
 しかしながらこの谷津も、区画整理事業によって大型公園や住宅地に変わる計画があることを知りました。ここをいつも散策コ−スにしている友人3人と、代表の方に会いに行ってみました。
 おっかなびっくりで訪ねてみると意外に温厚なおじいさんでした。自然の恩恵を受けながら育ったこと,地域に根ざした伝統芸能こそ誇り高い文化,雨水の地下浸透は大切…等、その見識の深さに圧倒されました。
ただ、個人的な考えはあっても、なぜ区画整理事業をやるのかというと、@相続税が高い A農業だけで生計は成り立たない B利用価値のなくなった山林が荒れている、と私達にも一朝一夕には解決できない問題ばかりでした。
 調整区域内に残っている50ha程度のまとまった里山を計画的に自治体が買い取り(分割でもよい)、生物の生息域を確保すると同時に、CO2 削減,地下水かん養を図る。財源の一部には上水利用者にも薄く広く負担をお願いする。管理には市民ボランティアも協力する。市街化区域内では緑やビオトープの確保に努める・・・。
 里山保全を特徴とするまちづくりを提案できないでしょうか。


生きている自然

手繰川 川遊びに参加して

よつかいどうこどもエコクラブ 堀坂 素子

今年6月、三人娘たちにとって生まれて初めて見るホタル見学。続いて同月、末娘とともに幼稚園園庭にて開かれた自然教室に参加。そして7月19日、待ちに待った今回の川遊び。
さて、当日懸念された雨も直前に上がり、我々夫婦と末っ子の三人で参加させていただきました。遊びは三種類用意されており、それぞれに専門家がいて、トンボの種類や魚のとり方などを指導して下さいました。われわれの班はフィールドビンゴ(実質的にはトンボとり),川遊び,ザリガニ釣りの順番に参加。子供はもちろんのことですが、親自身が都市に生まれ、あまり自然の中での遊びを知らずに育ってきましたので、網の中にトンボやザリガニ,ドジョウを発見したときには、我を忘れひたすら興奮しました。特に素足で川の水につかり、天然の大物ドジョウ一尾とザリガニ5,6尾がかかったときには川岸で傍観しているわが子さえそっちのけで、嬉しさの頂点でした。また同じ班の方でなんとコイを2尾とった方もいてやはり昔の経験がものをいう世界なんだとひたすら尊敬してしまいました。最後のザリガニ釣りはみごと失敗。やはりとなりの熟練した方との実力の差を実感しました。
今回は、車で15分足らずという身近な場所でも日常から離れた"自然体験"ができることも教えてもらいました。人工的な自然(たとえば動物園,水族館,ペットやテレビ画面上のもの)の方に今まで片寄りがちだったように思えます。これからは作られた自然ではなく、本物の生きている自然のなかにこどもたちをうんと連れ出してやりたいものだと思います。親子一緒に童心にかえって自然のなかで遊ぶことほど現代の家族にとって幸福なことは他にないのかもしれませんね。貴重な一時をありがとうございました。


寄稿 :水をもっと大切に

ちばに もひろめよう 雨水利用

AIKA&愛筆 長谷川繁子(Tel:043-232-0264)

今年の降雨量は多いと思っていましたが、梅雨明け宣言毎にもう渇水の話しもチラホラ・・・我が家の雨水タンクも、もう1/3ぐらいになってしまし、雨よ来い!です。昨年ちばコープ環境グループの集まりで「こんなもの欲しい」という私の話しからトントン拍子に、タンク設置となりました。茂原けやきの会伊藤さん、タンク輸送と設にお世話になった西田さん、そして小倉台「あかり」の仲間松本さん、足立さんにご協力戴きました。松本さんは円形カッター購入、自力で工作し3個も設置しました。西田さんが自家用トラックに積んだ8個のタンクは全部予約ずみです。もともと「飲料水を庭に撒く」ことに昔から抵抗があった人どうしです。
(蛇口取り付けと、雨樋切断、タンクへの筒さしこみがちょっと難儀かしら。)
<材料>

  1. 1.タンクはプラスチック製(濃縮ジュース入れ廃棄物利用、伊藤さんが手配)
  2. 雨樋と同じ径の円形のエルボ
  3. 水道の蛇口
  4. バケツが置ける高さの台(私はビールびんカートンを逆さにして)

事務局からのお知らせ

1.ぬりえ絵本ができました

私の住んでいる千葉市の野原と雑木林の1年間の様子を、
ぬりえ絵本にして見ました。
この本を持って、元気に外へ飛び出してみませんか。
きっと何かに出会えると思います。
1冊300円です。
問い合せ:松山みよこ (Tel:043-265-8802)


2.環境ホルモン学習会グッズーーあります

環境ホルモンが溶出する疑いのある、ポリカーボネート製のほ乳ビンや食器・機密容器、塩ビのおもちゃなどいろいろ取り揃えました。学習会などにご利用下さい。連絡は小西まで。Tel/Fax:043-266-0383


編集後記
ディックフランシスにはまり、イギリスの競馬場めぐりをしたいなあと夢見ています。(佐々木)
親も子も笑顔があふれる川あそびでした。できてよかった。ありがとうございました。(古川)